世界的な好景気に沸く半導体業界、車載用制御機器とIoTブームがさらに後押し

今現在、スマホ・データサーバ・自動車・IoT・人工知能(Deep Learning)等が需要を牽引して、世界的な半導体ブームが続いており、その恩恵を受けて半導体製造装置やFPD(Flat Panel Display)製造装置業界は活況を浴びています。特に大容量の動画データなどの記憶媒体として、NAND型フラッシュメモリ(ハードディスクに代わる大容量記憶媒体)の需要が急増しており、次世代メモリーとして期待されている3D NAND型フラッシュメモリーへの早期量産化の設備投資が、これから更に進むものと期待されています。
またFPDに関しても、液晶パネルに代わる有機加工物自身が発光する新しいFPDとしての有機EL(Organic Electro-Luminescence)の登場と需要の拡大で、新規設備投資による有機ELの量産化が急速に進むことが確実視されています。

マザックにおいては、工作機械の複合化や加工部品の工程集約に長年にわたり取り組んでおり、半導体製造装置によく使われるアルミの削り出し部品や、クリーンな環境に適したステンレス系の丸物加工部品の工程集約に最適な5軸加工機・複合加工機を、他社よりも先駆けて開発し販売してきました。特に半導体業界においては、景気の浮き沈みが大変厳しい業界という事も有り、工程集約化だけにとどまらず、省力化・自動化・無人化が図れる汎用的な設備機のご要望にお応えしています。

 

マザック機から生み出される、半導体製造装置の構成部品

半導体製造装置に使われる真空関連機器は、機能のみならず耐久性についても高いレベルが求められます。そのため、これらの機器に使われる部品は削り出しのものが多く存在し、生産工程にはマザックの工作機械が深く関わっています。
ターボ分子ポンプの内部は、旅客機のジェットエンジンと同様、タービンブレードを幾重にも重ねた構造となっており、1秒あたり数万回転に達する動作スピードにも耐え得るものが使われます。タービン翼は形状が複雑であり加工が長時間に及ぶことから、「VARIAXIS」をはじめとした5軸加工機の活用により工程集約が図られています。チャンバはその形状の特性上、母材容積の大半を除去加工する必要があるため、リニアモータ駆動による高速軸送りが可能な「SVC」などの立形マシニングセンタにより、加工時間の短縮化が図られています。
真空関連機器以外においても、ウェハのテーブル位置決め装置、搬送用ロボットアームなどの部品加工にマザックの工作機械は使われています。近年では、切削型機械だけではなく、ハイブリッド複合加工機「FJV-60/80 FSW」がバッキングプレート(冷却板)の接合に用いられるなど、付加加工技術を用いた工程集約化にも貢献しています。

 

バッキングプレートや冷却プレートの接合などに効果的な摩擦攪拌接合 + 切削のハイブリッド加工機
FJV-60/80 FSW

摩擦攪拌接合(Friction Stir Welding)は、材料を溶かして接合する従来の溶接とは異なり、摩擦熱で軟化させた材料を攪拌(かくはん)し接合を行うもので、材料以外の素材を用いずに接合が可能です。小さな曲面の接合が可能で、接合面も美しいなど多くのメリットがあります。
FJV-60/80 FSWは門形マシニングセンタと摩擦攪拌接合技術を融合。2240 mm × 1250 mmの大きなテーブルサイズにより大型の部品、多面加工、薄物加工まで摩擦攪拌接合~切削工程を行ない、幅広いアプリケーションに対応します。

 

半導体部品の主な加工例




高精度・高生産性
 門形マシニングセンタ FJV-250

各種自動化に対応する同時5軸加工機
INTEGREX i-H シリーズ

 高速高精度横形マシニングセンタ
HCNシリーズ

コンパクトで操作性に優れた
CNC旋盤用ロボットシステム

単体機の自動化・無人化システム
MPPシリーズ

削出し加工に最適な横形5軸加工機
HCR-5000S




 

マシンモデル群